2019年03月29日

風が強く吹いている

 きっかけは、アニメ。ちょっと見てみたら、何だか知っている地名がよく出てくるな、と。そう思ったのが読んでみたくなった理由です。
 私は、生まれてから結婚した現在までほぼ箱根駅伝のルート上に住んでおり、唯一コースを外れて生活していたのは世田谷区。この物語とは何だか縁がある。

 物語の舞台となる寛政大学や竹青荘は、千歳烏山と成城学園前、祖師ヶ谷大蔵が最寄り駅で、多摩川まで行くのに仙川と野川を越えていくという記述から、おそらくは昔、青山学院大学の世田谷キャンパスがあった辺りを想定しているのかな、と想像するのですが。20年くらい前まで、千歳台の辺りにあったんです。奇しくも青山学院大学、今は箱根駅伝の常勝チームになりましたね。この小説が執筆された頃は、出場するのも難しいレベルだったかと思いますが。

 物語は、たまたまその竹青荘に住んでいた10人が、4月にトレーニングを始めて翌年の箱根駅伝に出ようというもの。ちょっと考えなくても、完全なるファンタジーです。如何に、そのうちの2人がトップレベルの長距離ランナーであっても、経験者がいたとしても、優秀なコーチがいても、それは無理。相手は中高で実績を積んで全国から集めてきた選ばれた選手たち。そこに半年強で挑もうというのは無謀の一言で切り捨てられるレベルです。とてもしっかり取材されたのだなあと思うほど詳しく書かれていますが、幾つかの記述には違和感があり、作者はスポーツに打ち込んだ経験がないのかな、とも思います。
 なので、あくまでもこれは箱根駅伝としてはフィクション。主題は、そこを舞台として描かれる10人の人間としての変化、成長です。

 主要な登場人物は10人の選手達。その選手はそれぞれが異なるバックボーンを持ち、それぞれが違うことを考えて箱根駅伝に向かう。同じ時間と場所を共有しているのに、それぞれ違う。それが丁寧に描かれており、変化していく様が気持ちいいのです。
 その集大成が、箱根駅伝の本戦。走りながら何を思っているか、何を繋いでいるか。外から見たら、ただただ走っているだけなのですが、選手一人一人、「人」が走っているんだ、と。なかなか文字がぎっしりな小説ですが、サクサクと読み進んでいってしまうのです(笑)

 コース上に住んでいる者としては、箱根駅伝本戦のコースの記述は、なかなかわくわくしました。私の生活圏が、あちこちに出てきて、何だか妙な気分(笑)
 書かれてからもう13年経っているので、コースは若干変わっていますが、そういう意味では国道1号線沿いにお住まいの方にもオススメです。
posted by みやっち at 20:00| Comment(0) | TrackBack(0) |
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